2014-01-16

2014年1月,東京砧,「実験工房展 戦後芸術を切り拓く」

 
 
 強烈な寒波の襲来とともにあっという間に風邪をひいて,あっという間に治りました。快晴の一日,気分も爽快で東名高速をすっ飛ばして世田谷美術館へ。「実験工房展」を見に行きました。「戦後芸術を切り拓く」という副タイトルがついています。美術館の前庭。冬の剪定を行う作業車の色がとても鮮やかに覗く。
 足利美術館で瀧口修造を堪能したこともあって,この展覧会も瀧口修造を中心に運動全体を見渡す展示かと思っていたのですが,それぞれのメンバーの個性が強烈に全面に出ている構成です。
 
  中でも強く印象に残る展示だったのが北代省三。実験工房の美術部門の中心的な存在で,最初の部屋のモビール作品に始まり,美しい色彩に溢れる絵画作品,舞台美術,そして映像作品から写真へと幅広い活動に瞠目します。

 先週末まで川崎市岡本太郎美術館で「北代省三の写真と実験」展が開催されていたのが気になってはいたのですが,この展覧会と合わせて見たら面白かっただろうな,と後悔しきり。

 そして,音楽や舞台芸術・映画など,実験精神に富んだ総合芸術であるこの運動の全体像を遍く紹介する展覧会とあって,CDを視聴したり,オートスライドの再構成を流していたり,映画を上映していたり,会場は「実験工房博覧会」のよう。そういえば,昨年末にオペラシティアートギャラリーで見た「五線譜に描いた夢」展の「戦後から21世紀へ」の章とかなり重なる印象も。つまりは実験工房が日本の音楽史に刻んだ足跡がいかに大きいかということだと,なるほど納得。

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