思いがけず応募はがきが当選して,宮内庁式部職楽部 秋季雅楽演奏会にでかけてきました。さわやかな秋晴れの午後,大手門から皇居東御苑に入場して楽部の建物を目指します。雅楽は本来屋外で行われるものということで,一歩足を踏み入れると足元は白玉砂利のしつらえで,舞台には外光がふんだんに降り注ぎます。
演奏会は「管弦」と「舞楽」の二部構成です。美しいカラー写真の雅楽解説書と上演される曲目の解説をもらって,開演前にじっくりと予習にはげむ。今回の「管弦」で奏されるのは「唐楽六調子の一つ太食調(たいしきちょう)」だそう。もうすでにお手上げ,という感じなのですが,演奏が始まると笙(しょう),篳篥(ひちりき),鞨鼓(かっこ),琵琶,琴などのここちよい調べに一気にひきこまれます。
休憩をはさんで舞楽は二曲。中国系の「左方の舞」である「打球楽(だぎゅうらく)」と朝鮮系の「右方の舞」の「古鳥蘇(ことりそ)」です。胡の国で馬に乗って球子を走らせるのを「打球」というのだそう。(ポロですね。)「打球楽」は四人の舞人が毬杖(ぎっちょう)を手に,球を走らせる様を舞います。静かな動きで始まり,馬のスピードが上がると激しい動きに合わせて曲も盛り上がり,観ている方も心拍数が上がります。やがて管弦トランス(?)に突入して舞いが終わり,こちらはちょっとした放心状態。
「古鳥蘇」は美しい調べの優雅な舞。あっという間の1時間30分でした。再び大手門をくぐって非日常の世界から日常の世界へと戻ります。ところで一番びっくりしたのは,平安の世から天翔けてきたかのごとく凛々しい楽師のみなさんは,宮中の行事ではタキシード姿で(!)洋楽器の演奏もするということでした。
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