そして今回,「十牛図」(19世紀)の素朴な画面にすっかり虜になりました。「十牛図」は「禅宗において行者が悟りの境地に至るまでの心理を,牛を追い求める姿に喩えた説法図」(展覧会チラシより)。展示されているのは赤い服の少年の「尋牛見跡図」と,ありがたいお顔の老人の「入鄽垂手(にってんすいしゅ)図」の2点。
調べてみると,「十牛図」は中国伝来のものや日本の室町以降の禅僧の手によるものは絵のみのものが多いということですが,今回展示されているのは頌が加わり,円景の中に描かれた画とのバランスが美しく,とてもかっこいい(畏れ多い)。画は素朴で,朝鮮の民画の雰囲気そのものです。
なんともタイムリーなことに,翌日訪れた下鴨神社古書市で「十牛図:自己の現象学」という面白そうな古書を発見。すぐに買えばよかったものを,増え続ける荷物を一旦駐車場に置いて戻ってきたら,どの店かわからなくなってしまいました。諦めきれずに,帰宅後某古書ネットで注文しました。届くのが楽しみ。
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