2013-08-24

2013年8月,金沢(2),オヨヨ書林せせらぎ通り店

 金沢の中心部,武家屋敷の残る長町にオヨヨ書林せせらぎ通り店を訪れました。竪町に本店を構えるオヨヨ書林の支店というのか,のれん分けというのか,そのあたりの事情はよくわからないけれど,ここの店長は素敵な雰囲気のある女性です。古書店業は力仕事だから女性には大変というのをどこかで聞いた覚えがあり(本を運んでいて肋骨骨折した人もいるのだとか),それ以来女性の古書店主に対しては一種畏敬の念を抱いてしまいます。看板も潔くておしゃれ。

 大正6年築の元鉄工所という建物の1階。天井が高いので,背の高い書棚も圧迫感がなく,本の多さの割にすっきりした感じを受けます。ゆっくり店内を眺めて3冊購入しました。稲川方人の詩集「君の時代の貴重な作家が死んだ朝に君が書いた幼い詩の復習」(書肆山田,1997)。吉増剛造の「燃えあがる映画小屋」(青土社,2001)は緑色のインクを使った署名が入っている。

 そして,数年前に夏葉社から復刊されてとても面白く読んだ「レンブラントの帽子」(バーナード・マラマッド著,小島信夫ほか訳)がレジの近くの平台に置いてあります。思わず手にとったら,「その本の原書がありますよ」とのこと。
  Rembrandt's Hat,Bernard Malamud(Farrar, Straus and Giroux, 1973)には表題作のほか,Talking Horse(「喋る馬」は柴田元幸訳でスイッチパブリッシングから出ている)など,夏葉社版には含まれていない短編を含め計8編が収められていて,これはゆっくり読んでいくのが楽しみです。装幀がとても美しく,しばらくは書棚のよい位置に面出しで置いておこう。そのままインテリアと化す可能性,きわめて大(!)ではある。

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