2013-08-21

2013年8月,京都(3),下鴨納涼古本まつり

 今年も下鴨納涼古本まつりに行ってきました。糺(ただす)の森に足を踏み入れてまぶしいばかりの樹木の緑を見あげたり,静かな小川の流れに耳を澄ますと,心が洗われる気がします。「ただす」は「直澄」(ただすむ)が由来という説もあるそう(BSの紀行番組で見たばかり)。
 古本まつり初日の日曜日,開場時間の少し前だというのにすでにたくさんの人,人,人。この暑さの中,みんなよく来るなと半ば呆れながら,自分こそ遠路はるばるやってきてることにはたと気づく。昨年の後日談として団扇とタオルと虫除けスプレーが必需品だと教えてもらい,今年は完全装備(?)で参戦しました。
 
 均一価格の文庫本や新書,古い展覧会図録などもいろいろ買ったのですが,家に帰ってから冷静に眺めると,掘り出し物と言えるのはこれくらいかなあ,という感じ。辻邦生の「パリの手記」は1巻だけは持っていたのですが,5冊揃でびっくりのお買い得価格。ラテンアメリカ文学関係はガルシア・マルケスの短編集と「越境するラテンアメリカ」(野谷文昭著,PARCO出版)。小学館の「世界の文様」は200円均一コーナーから。
 そして植物図譜を今年も1枚。これは彩色の石版画です(たしか18世紀と書いてあった気がする)。これだけ極彩色に近いものは普段なら手にしないと思うのだけれど,真夏の太陽のもと,びびびっと来ました。熱帯夜にグロテスクと紙一重の花の絵を見ていると,これもオスカー・ワイルド言うところのthe true mystery of the worldの一つではないか,とそんな気がしてきます。

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