ところで,今回の旅は美術館めぐりが主な目的だったので,最初にMuseum jaarkaart(約50ユーロ)を購入しました。これはオランダの主要な美術館の入館に使える1年有効のカード(特別展で3~5ユーロほど別料金がかかるところもあり)。初日ですでに元は取れましたが,この日も「後日国立ミュージアムにまた来るとして,午後はゴッホ美術館に寄ってざっと見てからまた国立ミュージアムで友人とおちあう」みたいなことが気楽にできて便利でした。アムス旅行にはほかにも交通機関と組み合わせたカードなど,便利なカードが数種類あります。
ゴッホ美術館はせっかく来たからおさえておくか,という感じで入館したのですが,彼の人生をたどる展示はとてもスリリング。リートフェルト設計の本館は建物そのものが一つのアートで,何気ない角度で撮った1枚も「りートフェルトの作品」になっているのがとても魅力的です。
地下階でつながっている新館は黒川紀章の設計。残念ながら展示替え中で中には入れませんでしたが,接続部分や地下スペースのショップは六本木の国立新美術館となんとなく似てる。まあ,それはそうか,と一人ごちる。
さて,夕刻近くなって国立ミュージアムに戻り,オランダ統治時代のジャワ島の文物や,船の模型なども面白く見て,地下階の1100‐1600年代の展示を残して時間切れ。食事には少し早い時間だったので,スプウSpui広場の書店American Book Centerへ。「世界で最も美しい書店」や「世界の夢の本屋さん」(ともにエクスナレッジ)に登場する書店です。店名通り,英語の本を扱う書店で,吹き抜けの黒い書棚が圧倒的。黒だと,本を引き立てるけれど,棚の上段はほこりが積もると目立ちそうだな,拭き掃除が大変だろうな,と余計な心配をする。そして上述の2冊に掲載されている「書店の写真」がとりわけ美しいのだ,といいうことをしみじみ実感して(何たるへそ曲がり),せっかく来たのだからとSusan Sontagのペーパーバックを1冊購入して店を出ました。
さて,この日も冷たい雨が降ったりやんだり。気温も低くてつい,遠出するより市街で過ごすことを選択してしまいます。翌5日目も夜にロイヤルコンセルトヘボウのコンサートがあるので,昼間はアムステルダム市内で過ごすことにしました。
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