初めてのソウル。羽田を離陸して,慌ただしく機内食をいただいたと思ったらもう到着です。感覚的には国内線とかわりません。金浦空港から市内へは地下鉄で楽ちん。交通カードを買ってチャージしておけば,市内の移動はこれで安心です。
まず向かったのは踏十里の古美術商街ですが,詳細はまた項を改めて。次は地下鉄4号線に乗り換えて,今回の旅行の目的である韓国国立中央博物館へ。地下鉄二村駅から博物館へは「博物館の道」という通路で一直線です。あまりにきれいでテンションがあがります。
そして地上出口から博物館エントランスへ向かうのですが,これがまたテンション上がりまくりです。事前にかなりの寒さを覚悟していたものの,私が訪れた12月初旬はそれほどでもなく,冬枯れの広場が澄んだ空気にあふれていて,とても気持ちがいい。建物はあんぐりするほど巨大です。5時間くらいかけて1階の歴史展示と2階の書画,3階の彫刻・工芸展示をじっくり見て体力と時間切れ。通り過ぎただけのアジア館と2階の寄贈館は次回の訪問用にとっておくことにします。
1階の歴史展示はとにかく面白く,またわかりやすい。今回の旅行に合わせて司馬遼太郎著「韓のくに紀行」(街道をゆく2・朝日文庫, 2008新装版)を読んでおいたのが役に立ったというか,おお,本に書いてあったとおり!みたいな展開の展示に大興奮。
感激したものをあげていたらきりがないのですが,新羅の金製品の展示でこの指輪を見つけたときは思わず声をあげそうになりました。昨年,出光美術館で開催された宗像大社展に出陳されていた指輪によく似てる!同展の解説では「新羅の王墓から類品の出土例がある」ということだったけど,まさにこれがその類品というわけでしょう。古代,半島との活発な外交を想像して,歴史のロマンというありきたりの言葉じゃ足りない感激を味わいました。ああ,来てよかった!
ぐっと時代を超えて朝鮮時代19世紀の外交文書はその美しく端正な文字に感激する。これほど美しい文字・印の配置はどこにもないのではないかと思ってしまう。博物館・美術館ではあまり写真は撮らないようにしたい(撮りはじめるときりがないので…)のですが,こうやって記録に残せるのはとても楽しい。
白鳳文化の形成に大きな影響を与えた仏像群を始め,数々の仏教美術の展示,信じられないほどの数の高麗青磁と李朝白磁の展示,端正で美しい工芸品。もっと早く来ればよかったと思うことしきりです。訪れた土曜日は夜9時まで開館,しかも常設展は無料という博物館好きにはたまらない場所でした。すっかり夜の帳が降りたころ,翌日の国立古宮博物館と国立民俗博物館も楽しみに,地下鉄駅へと向かいました。
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