宝生能楽堂の公演(「魚説法」と「賀茂」)については稿を改めて。昨秋からの観能記録がたまってしまっています。で,都内1泊2日の旅の2日目は御茶ノ水ニコライ堂(復活大聖堂)からスタート,の予定でしたが残念なことに拝観は休止中。外から眺める。
そのまま徒歩で湯島聖堂に向かいました。実は初めて。東京国立博物館は明治5年(1872)の湯島聖堂博覧会が創立・開館の時となってるとのこと(同館HP「東博の歴史」より)。古写真で見る金の鯱が前庭の真ん中にどーんと据えられた大成殿のイメージがインパクト大ですが,実際の前庭は意外とコンパクト。
ところで,大きな孔子銅像の近くに美しい巨木があり,思わず足を止めてうっとりと見上げました。楷樹-かいの木。由来書には「山東省曲阜の孔子墓所より持ち帰った種子を苗木に育て,当地に植えられたもの」とあります。「楷」は「楷書」の語源となったと言われているそうでなるほど,枝ぶりの美しさは楷書の美しさを思わせるものだったわけだ。(ん? 逆?) 近寄ってみたり離れてみたり。
さまざまな史料を通して清の姿を,「大衆,官僚,宮廷,外国人など」の視点から追っていく(チラシより)とても刺激的な展示です。とりわけラストエンペラー愛新覚羅溥儀の自筆の扇の前ではしばし時を忘れる。「時」の流れと人の「生」と「死」と。愛新覚羅家の人々には興味があって,いろいろ本を買ってあるので時間ができたら読んでみなくちゃ。
さて,「旅」はやはり移動する「距離」も必要ですね。あまりに日常の延長の2日間だったので駒込から上野駅に立ち寄って諸国名産(?)のおみやげを買いこみました。無理やり旅気分の辻褄を合わせて帰宅。
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