2012-12-06

2012年11月,ロンドン(1),大英博物館第34室, 第25室

 成田を出発して約12時間,午後遅めの時間にロンドン・ヒースロー空港に到着しました。晴れ間ものぞく曇り空。入国審査の列に1時間強並んで,ようやく空港から市内へ。大英博物館のすぐ近くのホテルにチェックインすると,荷をほどくのももどかしく,早速外へ飛び出します。時刻は6時近く,すっかり夕闇に包まれています。
 
 徒歩3分くらいで大英博物館Montague Place entranceに到着,正面入口の反対側のひっそりとした入口です。入ってすぐ左の第34室を目指します。ここはイスラム美術の数々がずらりと並んでいる部屋で,たとえば14世紀マムルーク朝のエナメル彩ガラスも一度にこんなにたくさん見ることができます。至福の時間。

 この部屋の存在を教えてくれたのは,「パレオマニア 大英博物館からの13の旅」(池澤夏樹著,集英社)という一冊。この本では,一人の男が大英博物館の好きな一品を選んで,それをよく見て,それからその品が作られた土地へ行ってみるという「現代社会という特急列車から降りて,各駅停車に乗り換える」旅をします。その本のイラン篇(其の1)「ホメイニが消し忘れた女」(タイトルだけでもわくわく!)に登場する鉢が展示してあるのがこの第34室。

 ほかのどの部屋ともつながっていないこの部屋は,それでも足を踏み入れるとかなりの広さがあります。ゆっくり見ているとあっという間に閉館時間(金曜日は夜間開館で8時まで)になってしまいそう。次は地下階の第25室に向かうことに。

 第25室はアフリカ美術を展示するThe Sainsbury Galleries。探したいものがあったので工芸のコーナーを一つ一つ見ていくと,お目当てものを発見。ミラン・クンデラの「冗談」の表紙カバー写真のLozi族の木彫の楽器に似た蓋付きの食器です。Lozi族のものはこれだけで,楽器はなかったのですが,やはりつがいの鳥があしらわれていて写真のものとよく似た雰囲気に大満足。


 長旅のせいか,頭がぼんやりしてきたのでこの辺でホテルに戻ることに。せっかく空いているので,Ground Floorのアッシリア宮殿の浮彫彫刻の部屋を足早に通り抜けて再びMontague Place entranceをくぐって大英博物館をあとにしました。

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