ミレニアム・ブリッジの下をくぐって桟橋Bankside Pierに着くと,目の前にはシェークスピア・グローブ劇場があります。ミュージアムも併設されていますが,まっすぐテート・モダンへ向かいます。ウィリアム・クラインと森山大道の写真展William Klein + Daido Moriyamaが開催中です。巨大な建物にシンプルなサインがかっこいい。
とにかくスケールの大きい写真展。天井高も高く,広い空間に展示されている写真の数も膨大ですが,引き伸ばされた巨大なプリントの迫力にも圧倒されます。
ウィリアム・クラインの撮ったニューヨークや東京のスナップは,クラインのニューヨークや東京であって,森山大道の東京のスナップはやはり森山大道の東京なのだ,という自明のはずのことが,がつんと突きつけられてくると言えばよいのか,観ている私は写真にねじ伏せられて足がすくんでしまう。
クラインは映像作品や,有名な少年たちの写真をはじめとしたアートワークの展示もあり,森山大道はポラロイドや,アイコン的な犬の写真のバリエーション,Provokeの展示などもあり,二人の写真家の魅力を存分に伝える写真展です。
朝から歩き回った疲労感と,旅の緊張感もあって(しかもランチにマッシュポテトをたっぷりいただいたあとで),官能的だったり破壊的だったりする被写体には,あまり入り込めなかったのも事実なのですが,写真という「もう一つの世界」を堪能した午後でした。
美術館をあとにして,ミレニアム・ブリッジを渡って地下鉄St. Paul's駅へ向かうことにします。橋の上を歩きながら,ドラマチックな写真を撮りたくなったのだけど,疲労の極み。愛用のカメラの「ドラマチックシーン」モードにお任せして撮った1枚。
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