一夜明けてロンドン4日目は朝から雨模様です。この日は展覧会三昧の予定。まずはテート・ブリテンの「ラファエル前派:ヴィクトリアン・アヴァンギャルド」展にでかけることにしました。地下鉄ピムリコ駅からテムズ河の方向に少し歩くと美術館の建物が見えてきます。
ちょうど改装工事中で,正面の入り口だったところが塞がれて,建物の側面に沿って新しく作られたゆるやかなスロープに沿って地下階にあたる部分から建物の中に入るようになっていました。これは一時的なものなのか,工事が終わったら正面入り口がメインエントランスに戻るのかもしれませんが,スロープと道路側の仕切り部分がガラスで,いい雰囲気のアプローチになっていました。
さて,ラファエル前派展。「起源と宣言」,「歴史」,「自然」,「Salvation(救世)」,「美」,「楽園」,「神話」の七つのテーマ別に,絵画だけでなく彫刻やステンドグラス,家具などが展示されていて,ラファエル前派の全容をたどることができます。
ジョン・エバレット・ミレイの「オフィーリア」に再会できて,心浮き立つ思い。オフィーリアが川面に浮かぶその画面からは,その自然描写が鮮やかで繊細である分,悲劇の残酷な美しさが浮かびあがってくるようです。「自然」の章に展示されています。
最終章の「神話」のコーナーではバーン=ジョーンズの作品が多数紹介されています。今夏の「バーン=ジョーンズ展」(三菱一号館美術館)で見た作品も多いのですが,一つの運動の枠組みの中で,その思想的な意味や歴史的な位置付けを考えながら見ると,また理解が深まっ(たような気がし)て,魅力倍増です。
ダンテ・ガブリエル・ロセッティやウィリアム・ホルマン・ハントらの数々の名作の他にも,名前も知らなかった作家の作品も数多く,熱心に展示に見入る観客のあふれる会場は熱気に包まれていました。
ところで,テート所蔵のウォーターハウス「シャロットの姫」も楽しみにしていたのですが,見当たりません。調べてみると,Birmingham Museum and Artで開催中のLove and Death: Victorian Paintings from Tate展に貸し出し中とのこと。ウォーターハウスはラファエル前派に影響を受けた作家であって,ラファエル前派の作家とはひとくくりにできない,ということなのかもしれません。買ってきた画集や資料をよく読んでみることにします。
さて,あっという間に時間がたって,次はテート・モダンの「ウィリアム・クライン+森山大道」展に向かうことにします。テート・ブリテンとテート・モダンの間は,テムズ川を行き交うボートで結ばれています。その名もTate to Tate。雨模様が残念ですが,かなりわくわくしながらボートに乗り込んで,20分くらいでテート・モダンに到着です。
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