東京芸大美術館で開催されていた「素心伝心ークローン文化財 失われた刻の再生」展を見てきました。BSのシルクロード番組で紹介されていた敦煌莫高窟内部の復元をどうしても見ておこうと,ぎりぎり最終日に駆け込みました。
冒頭の法隆寺の部屋の壁をぐるりと囲むのは金堂壁画。香が焚き染められ,ちょっとしたトリップ気分になります。ああ,こういう姿だったのかという得心と,美しい仏たちが炎に包まれていく恐ろしい幻影にちょっと足がすくみます。
現地で非公開の敦煌莫高窟第57窟に足を踏み入れると,「素心」という言葉の意味を体感できます。眼前の「復元」された仏は7世紀の仏の心をそのまま湛えているかのよう。それは「復元」という作業ではなく「再生」をこそ願う人の手によるものなのだ,と感動。
高句麗古墳の展示も面白かった。ソウルの国立博物館で見た四神図の展示を思い出します。2016年のアフガニスタン展の際にも紹介されていた,バーミヤン東大仏天井壁画の再展示もあって,ああ,楽しかった!平山郁夫シルクロード美術館の収蔵品もいくつか展示されていて,一度行ってみたい。会場が暗くて写真はピンぼけです。撮影可の展覧会というのは,どこでも撮影会場のようになってしまうものですな。(自分のことは棚にあげる)
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