10月の忘備録。歌舞伎座では通し狂言義経千本桜のBプロ第三部を3階席1列目で見ました。やっぱり気持ちのいい席だな。お目あては右近の狐忠信。「川連法眼館」は今までに見た中で一番の興奮です。狐も素晴らしかったし,本物の忠信も,隼人と巳之助の駿河・亀井に囲まれたスリーショットが決まった時は,見てるこちらが爽快感に包まれました。
展覧会は五島美術館で19日まで開催されていた秋の優品展「武士の雅遊」展を。「サムライ」をキーワードにとにかく「名品」がこれでもかと並びます。「紫式部日記」の特別展示もあるし,特集展示は蔦谷重三郎だし。頭の中は「真田丸」,「鎌倉殿」,「光る君へ」,「べらぼう」と大河ドラマの名場面がフラッシュバック! 楽しい時間でした。展覧会はもう一つ,國學院大學博物館で「中世日本の神々」展を。謎と魅力に満ちた中世日本の神々の様子が生き生きと展示されていて,まだ会期は長いので再訪の予定。「春日社鹿曼荼羅」は理屈を超えて大好きな図像。
10月は武蔵野大学能楽資料センター主催の公開講座にも参加。「生誕100年記念 三島由紀夫と能楽・歌舞伎」の「『熊野』を巡って 三島と六世歌右衛門」を聴講しました。『熊野』は三島歌舞伎と近代能楽集の両方で扱う唯一の演目なので,興味深く拝聴しました。講師は織田紘二氏。学びが多かったので,またいずれ稿を改めて。
読書は何冊かノンフィクションを。「香薬師像の右手 失われたみほとけの行方」(貴田正子 講談社 2016)、「昭和16年夏の敗戦」(猪瀬直樹 中央公論新社 2020)。いずれもNHKの番組を見て読んでみました(どれだけテレビ漬けの生活。。)。どちらも映像は面白かったけど,活字を追うのはちょっと時間がかかりました。反動でとびきり面白い小説が読みたくなっている今日この頃。