2013-07-02

2013年6月,東京渋谷,「熊坂」

 渋谷のセルリアンタワー能楽堂に櫻間会例会「熊坂」を見にでかけました。ほかに連吟「半蔀」,仕舞「二人静」という番組。開演ぎりぎりに到着すると,正面自由席はほぼ埋まっていて,脇正面に座ることに。橋掛かりのすぐ横は,揚幕がさっと揚がる音や,役者のすっすっという足音を間近で聴くことができるので,好んで陣取ります。(正面で居眠りするより目立たないし。)
  「熊坂」は熊坂長範という盗賊が,「かつて都から奥州へ下る三条吉次一行を襲うものの,無念にも吉次に伴われる牛若に斬られた件りを物語る」というもの(「鑑賞のしおり」より)。

 それにしても,斬られた無念さはわかるけど,盗みはいけませんな,と思わずつっこみたくなりますが,長刀を華麗に振り回して,牛若との戦いを再現してみせる舞台は迫力満点。地謡の詞を目で追いながら見ていると,「はっし」とか「ひらり」とかの身体の動きが面白い。

 ところで熊坂に使う能面は「長霊べしみ」というのだそう。「べしみ物」という分類があるそうです。「面」にはとても惹かれます。ちょうど今,早稲田大学演劇博物館で館蔵コレクションの「アジア演劇仮面」展が開催中なので,近いうちにでかけよう。
 

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