琉球王国時代に中国から伝わったという琉球漆器の歴史は長く,祭祀や儀式に用いられただけでなく,中国皇帝への献上品として数々の優品が生まれたといいいます。黒漆の雲龍文螺鈿盆などは,中国の漆器かと錯覚を覚えます。薩摩が侵攻するまでの,琉球と中国の長く深い交わりをあらためて気づかされた思いでした。
アクセスが不便な町田市立博物館は面白そうな企画展がたくさんあってもなかなか足を運べずにいたのですが,今回は最終日の会場で旧知の知人にばったり遭遇して,お互いにびっくり仰天!こんなところ(←失礼ですよね。)で!昨冬にガラスの鼻煙壷展が開催されていたとその人から聞いて,痛恨の極み。美しい解説冊子をいただいて帰りました。
もう一つは自由が丘の岩立フォークテキスタイルミュージアムで11月14日まで開催中の「スザニ」展。「中央アジアの服装」というサブタイトルです。アフガニスタン,トルクメニスタン,ウズベキスタンで入手したという華やかで美しい刺繍にうっとり。大胆な模様が太目の絹糸でみっしりと刺されていて,この布を身にまとった人たちが中央アジアの草原を馬で駆ける様子が目に浮かんできます。行ってみたいなあ。
2014年に法人化されたばかりという小さな美術館ですが,とても気持ちのよい展示です。講演会やギャラリートークも充実している様子。次回展の「インド北部の毛織物」展も楽しみ。
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