2016-02-29

2016年2月,東京渋谷,「英国の夢 ラファエル前派展」

 英国絵画の展覧会を見に行くのは久しぶりな気がします。チラシに使われているのがウォーターハウスの作品なので,おや,やっぱりウォーターハウスはラファエル前派の作家というくくりでよいのか,と確かめに行くような心持ちで渋谷へと向かいます。
ロンドンのTate Galleryで見たラファエル前派展ではウォーターハウスは出展されていなかったのがとても残念だった記憶が新しいのですが,さて,bunkamura。平日というのに大変なにぎわい。若い男性がじっとホルマン・ハントの絵の前に佇んでいたのが印象的でした。

 全部で65点,リバプール国立美術館所蔵の作品で構成されていて,最初の8点はエヴァレット・ミレイが並んでいます。「良い決心」という作品が魅力的です。原タイトルを忘れてしまったのでリバプール国立美術館の所蔵ページを検索したところ,この作品はオンラインでは公開されていないみたい。まあ,確かに「愛と詩,そしてロマンス」という副題のついた展覧会の中では地味な作品だったかもしれない。

 チラシの文面も,会場内の解説文もやたらと難しい表現を用いてるように思えたのですが,ゆっくりと1枚ずつと向き合っていると,難しいことは抜きにしてこの耽美な世界を楽しめばよいのでは,と思えてきます。当時の観客たちもさぞかし萌え(?)の気分を楽しんだのでは,などと考えながら楽しい時間を過ごしました。

 蛇足ながら,ウォーターハウスは最後の第Ⅳ章「19世紀後半の象徴主義者たち」というコーナーに並んでました。なんだ,やっぱりあくまでラファエル前派の影響を受けた作家ということなんだ,と納得。大作が3点並んでいて,ああ,ウォーターハウス展が開催されるといいなあと思うことしきりです。

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