2017-12-03

2017年12月,東京世田谷,「あこがれの明清絵画 日本が愛した中国絵画の名品たち」

 泉屋博古館分館で開催中の「典雅と奇想」展の連携企画という「あこがれの明清絵画」展を見に世田谷の静嘉堂文庫美術館を訪ねました。12月17日までの開催です。「典雅と奇想」展のチラシは八大山人の魚図が中央に配置されていますが,静嘉堂のチラシは沈南蘋(しんなんびん)のネコ。2枚並べるとネコが魚を狙ってるのだとか?(ホントか??)チラシは少し騒々しいデザインですが,ハンドブックはシンプルな装丁です。
 「典雅と奇想」展と作家は重なりますが,この展覧会は「日本人が憧れた明清絵画」という視点なので,日本の画家たちの手になる模本や跋文なども展示されていて,なるほど「若冲,応挙,谷文晁も,みんな夢中になった…」というコピーに頷けます。
 
 李士達(りしたつ)の代表作という「秋景山水図」や,美しい余崧(よすう)の百花図巻など,時間を忘れて見入ります。そして陳曽則(ちんそうそく)の「蘭竹図」の前では思わず釘付けに。さりげないというのでも洒落ているというのでもない,見る人を惹きつけてやまない静かな威厳みたいなものにすっかりノックアウト。
 
 江戸時代の著名な文人たちが所有したとかで,「石は篆書に似て,蘭は隷書に似て,竹は行書に似て,落款は草書に似ている」という跋文にも,なるほど,書画の世界はこうやって楽しむのか!と目から鱗が落ちる思い。
 
 しかし。。すっかりのぼせていたのでこれは誰の跋文なのか(頼山陽だったか。。),ちゃんとメモをしてこなかったオマヌケに我ながらがっくり。これは会期中にもう一度足を運ばなければなりませぬ。

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