2018-12-24

2018年12月,ソウル(2),尹亨根展(韓国国立現代美術館)

 出発前の天気概況を見てかなりの寒さを覚悟していたものの,金浦空港に着陸間近の機内で「到着地の天候は雪です」というアナウンスを聞いて動揺しまくり。ただ,降雪は到着日の朝までだったらしく,市内へ入るころには気持ちのよい青空が広がり,雪景色がまぶしい午後です。ソウルは冬がきれい,と言ってた知人の言葉を思い出しました。
 
 まずはMMCA韓国国立現代美術館へ,尹亨根(Yun Hyong-Keun)展を見に出かけます。ちょうど昨年の今頃,東京オペラシティアートギャラリーで見た「単色のリズム 韓国の抽象」展で魅了された作家。まとめて見ることができてとてもうれしい。美術館はシンプルそのもので潔い美しさ。
 尹亨根の作品はほとんど"Burnt Umber & Ultramarine Blue"のように色そのものがタイトルになっていて,その名のとおり深い茶色と青の絵具によって構成されていて,それは大地の色と空の色ということ。つまり,万物がそこに還る場所という意味がそこに込められています。
 壁面に画家の言葉が引用されていて,思わず引き込まれます。1980年の日記の一節を思わずメモする。(ハングルと英語の併記でした。)
 When we get emotional, it's because we're feeling all emotions at once; joy, sorrow, grief, and happiness.  Sorrow is the inverse of joy.  In other words, the ultimate beauty is joy and sorrow, simultaneously.  That's why art -especially the most beautiful art- is always sad.
 
 究極の美しさとは悦びであり,哀しみである,か。隣国とはいえ,異国で一人,美しい抽象画を前に何だかじわっときました。単色画の画家でもう一人,同館のコレクションに入っている鄭相和CHUNG Sang-Hwaが気になっていて,Book Shopで作品集がないか尋ねてみるも,No book!の一言で撃沈。残念。
 
 MMCAではほかにハルーン・ファロッキのビデオアートと,チェ・ジョンファ展を。あっという間に夕暮れ時になって,ほど近いタンパッチュ(甘くないお汁粉)の人気店へ。えっと。お汁粉は甘いほうがおいしいな。と思いました。。 

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