2016-04-10

2016年4月,東京用賀,「ファッション史の愉しみ」展

 
 桜の季節にはいつも出遅れてる気がします。今年も満開の週末を逃して,ようやく砧公園に出かけて,いよいよ散りぎわの花見を決め込むことに。枝にしがみつくようにして咲く,心なしか寂しげな桜たち。
 
 世田谷美術館で開催中の「ファッション史の愉しみ」展にも立ち寄ってみました。展示室中盤まで,延々と続く服飾誌のページや版画の展示にちょっと飽きてくる。それらの画中から飛び出してきたような衣裳の展示も,マネキンの顔があまりよろしい趣味ではなくて残念。
 後半は舞台衣装だったり,物語性のある画が増えてきて俄然面白くなりました。それにしても,と思ってしまうのは,展示されている服飾史やその時代に生きる人々の息遣いを楽しむよりも,これらを蒐集した石山彰という人物の蒐集にかける情熱を楽しむのがこの展覧会の意図かもしれないということ。最後の,同氏の著作や蒐集した書籍を展示したコーナーが一番面白かったかな。
 
 この美術館にはいろいろ思い入れがあるのだけれど,地下のカフェではフロアに響き渡る嬌声をあげる若い女の子のグループにうんざりし,なぜか特別展の会期中に常設展会場がクローズしていることにびっくりし,ちょっとブルーな気分で駐車場へ向かう。途中,伐採された公園の樹木が折り重なっている。カメラのドラマチックシーンモードで。 

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