2019-02-10

2019年2月,東京上野,「顔真卿」展/谷中の古書店「木菟」

  東京国立博物館で開催中の「顔真卿」展を見てきました。入場には待ち時間はないものの,会場内で日本初公開の「祭姪文稿」を見る行列は70分待ち。疲労がたまっていて(涙),諦めてしまいました。実は台北故宮に行ったとき,顔真卿が展示されていたかどうかをまったく覚えていないという。。もしかしたら見たんじゃないか,と都合よく記憶を操作(?)して,他の展示をゆっくり拝見。
 
  唐代の書ももちろん素晴らしいのですが,宋代に米芾(べいふつ)というとても好きな書家がいて,顔真卿の書に寄せた跋文や,真筆の「行書三帖巻」などを堪能。何というか,書の姿や勢いがとてもカッコイイのです。So cool!と叫びたく(?)なるんだなあ。

 目玉をすっ飛ばしてしまったものの,それなりに展覧会を楽しんで博物館を後にしました。そのまま谷中方面に向かって,スカイザバスハウスの向かいの古書店を目指しました。古書店めぐりをしている人のブログで絶賛されていたので期待度満点。「木菟」は「みみずく」。ショップカードにもみみずくのイラストがあしらわれています。

 店構えもさりげなく凝っていて,中に入ると左右の壁の書棚と中央の平台が整然と美しく,期待以上の品揃えと雰囲気に興奮。入口近くの平台には段ボール1箱分の辻邦生が。ま,全部持ってるけどね,と鼻息も荒く,すかさず価格チェックなど。

 日本文学も海外文学も,店主さんの「選ぶ眼」が伝わってきて感動的。津島祐子や多和田葉子の近刊などの充実ぶり。落ち着け,と自分に言い聞かせてこの日は2冊を購入しました。コルタサルの「秘密の武器」(世界幻想文学大系 国書刊行会)はマーブル装丁が素敵。もう一冊はレーモン・オリヴェ著・ジャン・コクトー画の「コクトーの食卓」(講談社)。これは訳者が辻邦生だったので。なかなか訳書まで手がまわらないので,これはうれしい。すっかり夕暮れ時になり,ご機嫌で地下鉄駅へと向かいました。

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