2014-08-16

2014年8月,インド(4),アグラ・アグラ城塞/ファテープル・シクリ

 タージ・マハルを後にして向かったのがアグラ城塞。妻の霊廟タージ・マハルを築いたシャー・ジャハーンが息子に皇帝の座を追われ,城の塔内に幽閉されて7年間,そのタージ・マハルを眺め続けてこの世を去った場所なのだそう。残酷なのかロマンチックなのかよくわからないけれど,不穏な気配を感じます。最初の門をくぐると敵の侵入を阻む坂道。

 大理石の透かし彫りや,赤砂岩の植物文様の浮彫がとてもきれい。どの遺跡も,想像していたよりずっと広大です。現地ガイドさんについて効率よく回っているはずですが,かなり歩きます。このあたりで,PENのレンズをズームにするとシャッターがおりにくくなり,たびたび異音もするようになってきました。かなり焦りながらも,不思議なインド風中華料理(中華風インド料理?)の昼食をとって,アグラを出発します。
 
 アグラからジャイプールに向かう途中,ファテープル・シクリに立ち寄ります。ムガル帝国のアクバル大帝が遷都したものの,水不足で数年で立ち去った都の廃墟です。ガイドブックには「幻想的廃墟」とあります。

 確かに幻想的だけれど,このスケールの大きさには圧倒されます。これだけの都を造営しながら,数年で立ち去ったほどの水不足とは一体,どれほどの脅威だったのだろう。

 「インドの自然が人間に対してどんなに邪慳で無慈悲,かつ事実として脅迫的であるかを云うことはむずかしい。これはわれわれにはまったくなじみのない土地である。この土地で,人間が人間であることを証明し,生きていることの意味を見出すためには,思想,宗教が至高最高にして不可欠なものとなるということは,それほどに理解に困難なことではない。」(「インドで考えたこと」(堀田善衛著)p.79より引用)

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