2014-08-20

2014年8月,インド(6),ジャイプル・シティ・パレス/ジャンタル・マンタル

 さて,ジャイプルで次に向かったのはシティ・パレス。建物はムガール様式とラジャスタン風の融合ということ。実は,現地ではもはや何が何の遺跡なのかよくわからなくなってました。宮殿なのか寺院なのか,いつの時代の,どの宗教のものなのか。
 
 今回の駆け足の旅行では,仏教遺跡は一つも含まれていません。それなのにこの混乱ぶり。インドをすべて見るというのは,どれだけ時間があっても足りないんじゃないか,とそんなことを感じ始めたインド滞在5日目。 
  ところでこのシティ・パレスは今回の旅行で唯一の博物館です。展示の数はそれほど多くはありませんが,細密画やマハラジャの宝石,武器などなど。世界最大という銀の壷は,王子が英国旅行の際にガンジスの水を入れて運搬したものだそう。ここには2つ展示されていましたが,私はこれと同じものを昨年アムステルダムで絶対に見た!
 
 ところが,どれだけ頭をフル回転させて記憶を辿っても,海洋博物館で見たのかライクス・ミュージアムの地下で見たのか思い出せません(泣)。日本に帰ってから両館の所蔵目録などをHPで検索してみたものの,あまりに膨大でそれらしきものに行きつけず,がっかり。どちらにせよ,インド本国と東インド会社のアムステルダムの2ヵ所で同じものを見れたのはうれしい。海外旅行をして文字通り,「時空を超える」体験をしたなあと実感です。
 
 さて,最後に向かったのがシティ・パレスからほど近い天文台・ジャンタル・マンタルです。タージ・マハルと同じくらい楽しみにしていた場所。ジャイ・シンが約300年前に造った精密な観測装置は,現在も驚くほどほぼ正確に観測できるのだそう。秒単位で計測できる日時計。
 
 
  全体像はこんな感じ。ところで,この天文台を撮影した面白い写真集があります。撮影したのはフリオ・コルタサル。この写真集と,それを入手した経緯についてはまたいずれ。
  さて,これで今回のツァーの見学ポイントはおしまいです。遅目の昼食のあとはアーユル・ヴェーダ体験やら買い物やら自由行動となりましたが,どうにもカメラの調子とともにお腹の調子が悪くなってしまった私はホテルで休憩することに。ゆっくり休んで夜のインド舞踊鑑賞には復活!カメラはついにシャッターが全くおりなくなって,美しい踊り手さんたちの写真を撮れなかったのは残念でした。

 5日間の短い滞在でインドに「はまった」というのも気恥ずかしい気がしますが,なにしろ全然物足りなくて,また絶対に来たい!と感じたのは事実。今度は仏教遺跡も見てみたい。そして何より,この国はどんな風に変わっていくのだろう,いや,未来永劫このまま変わらないんじゃないか,という思いの顛末を確認したい。

 「インドの未来がインドを統一しているのである。(略)古い国,歴史の国というよりも,存在理由は,実は未来の歴史にこそあるということが,来てみてはじめてしみじみとわかった。平和が事実として必要な所以である。」(「インドで考えたこと」,堀田善衛著, P108より引用)

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