2018-10-27

2018年10月,東京上野,「マルセル・デュシャンと日本美術」展

 東博で開催中のマルセル・デュシャン展を見てきました。この展覧会は「…と日本美術」がポイント。マルセル・デュシャンの展覧会は様々な取り上げ方をされているので,東博ならではというところが興味の対象になるのかと。

 とはいえ,第1部はフィラデルフィア美術館からのコレクションがこれでもか,と並んでいて壮観です。東大駒場博物館の大ガラスの展示も。「遺作」は2005年の横浜美術館の展覧会(「マルセル・デュシャンと20世紀美術」)での再現展示に衝撃を受けたので,今回のような細部展示や映像展示はその記憶をたどる作業になってしまった感じ。
 
 第2部の「デュシャンの向こうに日本が見える」は面白かったけれど,ちょっと無理くり感が否めない。。竹製の花入れを「レディメイド」と言うのはいかがなものでしょうか。あれは「竹でできた花入れ」なのですよね。。
  
 ところで余談ですが,先日横浜美術館のコレクション展で2005年のデュシャン展にも出品されていた吉村益信の「大ガラス」を見て(「イメージの引用と転化」),今回の展覧会と同じタイミングだったので面白かった!

 実は2005年当時,デュシャンのどの作品よりもこのでっかいカラスの印象が強烈で,デュシャン展にでかけてパロディが一番強烈だったとは,それこそデュシャンのワナにはまったのか!と思ったものでした。(⇒日本語限定だと後で気付いたけどね。今回,横浜美術館のコレクション展リストにはこんな解説が付いてました。Oh-Garasu (Japanese homonym of "The Large Glass" and "a big crow"これなら外人さんにも大うけ?!)
(横浜美術館のコレクション展です。東博のデュシャン展とは関係ないのであしからず。)
  東博ではほかに「大報恩寺 快慶・常慶のみほとけ」展と東洋館の「中国書画精華」の後期展示も。

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