2024-03-31

2024年3月,東京池袋,「リア王」

 池袋の東京芸術劇場で「リア王」を観劇。段田安則のリア王,エドマンド役は玉置玲央。今年の大河ドラマに夢中なのでこの二人の生のお芝居を見てみたかったのです。ショーン・ホームズ演出の素晴らしいとしか言いようのない舞台。緊張感にあふれる3時間弱,古代英国が舞台のはずなのに,リア王をめぐる老人と兄弟姉妹の物語が孕む問題は,私たちが生きる現代社会が直面するそれと同じではないか。

 四大悲劇の1つなのだから,希望のある結末を期待する方が間違っているわけで,しかしながらあまりにも悲惨すぎる。学生時代に読んだきりなので,久しぶりに復習しなくちゃと岩波文庫を探し出す。野島秀勝先生の訳と解説が,講義を受けているよう。

 コーディリアの「申し上げることは何も。」には脚注として「原語は‛Nothing’の一語。この一語は全幕を通じてさまざまな劇的文脈で,こだまのように繰り返される。(以下略)」と言った具合(p.20)。そうだ,こういう話だったと思い出しながら,繰り返されるNothingを辿りつつ,観劇の余韻に浸る。



 

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