2022-11-03

2022年10月,千葉佐倉,「加耶」展・読み返した本,「パレオマニア」(池澤夏樹)

 国立歴史民俗博物館へは京成佐倉駅からバスでアクセスしました。国際企画展示の「加耶」展がとても楽しみ。百済や新羅、そして海をはさんだ倭国と交流を重ねながら繁栄し,やがて勢力が弱まり,562年に新羅に降伏したというその国の歴史は,2015年2018年の韓国旅行の際に読んだ司馬遼太郎著「韓のくに紀行」で知ったのでした。

 韓国国立中央博物館の通史展示のコーナーがとても楽しかったのを思い出します。今回の展示も同館と九博と歴博の共催ということ。ポスターのイメージの大加耶の王陵群の写真が息を呑むほど美しい。まるで水墨画のよう。誘われるように訪れた企画展示室は思ったよりもコンパクトな展示でしたが,さすがに充実の内容。

 墳墓文化を取り上げた第二章には様々な副葬品が展示されていて,金製の耳飾りや冠の前で思わず足が止まります。新羅の耳飾りについては池澤夏樹著「パレオマニア」でも1章を割いて紹介されていて,その起源は西アジアやエジプト,ギリシャあたりだと指摘されています。

 ユーラシアの風。新羅経由で入手されたという西域のガラス器の展示もあり,時間も空間も遠い遠い場所へと思いを馳せます。
 「パレオマニア」から引用します。「博物館のショーケースに収められた耳飾りを見ているうちに,いきなり広大な草原に連れ出される。この目もくらむ思いが博物館の喜びなのだと男は改めて思った。」(集英社 2004「黄金の耳飾りの遠い起源」p.285)

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