2023-12-12

2023年12月,東京青山・八王子,「北宋書画精華」・「大シルクロード展」

 12月初まで開催されていた2つの展覧会で「馬」を見てきました。まずは根津美術館で「きっと伝説になる」というコピーの「北宋書画精華」展。その素晴らしさはいろいろなところで広く喧伝されているので,私ごときがあれこれ言うのはいらぬお世話(?)というもの。あくまで個人的に,是非見てみたくてそして感激したのはもちろん,李公麟の「五馬図巻」。

 実はこの図巻は東博で2019年に開催された顔真卿展で一度目にしていたはずなのです。はず,というのは規模の大きい展覧会で他にも見るものが多すぎて,まったく記憶にない。。当時の出品目録にもちゃんと黄庭堅や米芾と並んで「宋時代における顔真卿の評価」の章に掲載されていてます。

 同展のあとに,この図巻の公開についての詳細を知って,しまった,ちゃんと見てなかった,ととても残念に思っていたわけ。期待通りの美しい姿に感激でした。2022年秋に修理が終わり,東博の東洋館での展示もあったようです。

 蛇足ながら会場内はたくさんの観客で,中国からの団体客もいっぱい。中にはガラスの前で動かず,跋文を大きな声で音読する人もいて,何だか中国の美術館(博物館)に来ているような気分になりました。

 さて,八王子の東京富士美術館では「世界遺産 大シルクロード展」を。あまり馴染のない博物館からの出品が多いみたいで,期待度満点で出かけました。新疆ウイグル自治区博物館とかトルファン博物館とか,所蔵機関を見るだけでソワソワしてきます。陝西歴史博物館の文物の前では,おお,行ったよ!!と一人盛り上がります(単純)。

 そして「献馬図」(昭陵博物館)の前で思わず釘付けに。唐代(666)の作だそう。おお,もしや李公麟もこういう西域の遺物を目にして参考にしたかも,と時空を超えて妄想が広がります。絵葉書で雰囲気を。
 会場入り口には駱駝の剥製が2体。観客を西域へと誘います! いつか行きたいなあ。

0 件のコメント: