2020-03-08

2020年2月,インド(4),ブッダ・ガヤへ

  早朝のガンジス河から一旦ホテルに戻り,一路向かったのはブッダの成道の地,ブッダ・ガヤです。走り出したバスがすぐに大渋滞にはまり,約5時間の予定だがどのくらいかかるかわからない、到着は暗くなってからかも,というガイドさんの苦悩(?)はすぐに解決。車はすい,と進み出し,一路ブッダ・ガヤへ。(あのまま,車が進まなくなっていたら,コルタサル「南部高速道路」のようなストーリーが生まれていたかも!)

 まず,ネーランジャラー河(尼連禅河)を橋の上から眺めます。まったく水流のない風景。対岸にブッダ・ガヤの大塔が見えます。そしてそこからほど近いスジャータ村へ。苦行を捨てたブッダはここで乙女スジャータの捧げる乳粥を食し,尼連禅河で沐浴してからブッダ・ガヤへ赴き,菩提樹のもとで悟りを開いた,という。
  尼連禅河とスジャータ村のストゥーパ。美しく整備されたサールナートとは趣が異なり,入口だけでなく,ストゥーパを囲む柵越しにも物乞いの手が伸びてきます。彼らは仕事としてやってるんですよ,とガイドさんは言うのだけれど,幼い子を抱いて切ない目を向けてくるその手を無視するのは結構辛い。

  バスは再び橋を渡ってブッダ・ガヤへ。ブッダがまさに悟りを開いたその地に建つ大菩提寺(マハーボディ寺院)の大塔はストゥーパではなく,祠堂なのだそう。玄奘三蔵が訪れた7世紀にはほぼ現在と同じ規模のものが建っていた,というのだけれど,それを今私は目にしているのだ,ということがもはや現実のものとは思えない。ブッダが悟りを開いた場所!玄奘三蔵がやってきた場所!

 五体投地をするたくさんの巡礼者があふれ,五色の装飾が翻り,想像以上に鮮やかな世界がそこに広がっています。ここは仏教遺跡ではなく,現在進行形の信仰の場なのだ,と実感。ツァーの特典で,菩提樹の下で僧侶に読経してもらいました。母と友の面影にそっと手を合わせてみる。

 
 ブッダの生涯の順番としては,ここブッダ・ガヤからヴァラナシを経てサールナートへ向かったことになります。あまりに壮大すぎて,くらくらしてくる。ホテルの夕食時に,乳粥がふるまわれました。砂糖と蜜を加えて牛乳で煮たお粥ということ。甘くて美味しかった。

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