2020-03-22

2020年3月,東京目白台,永青文庫「細川ミラー」

  楽しみにしていた展覧会が軒並み中止になってしまい,やっぱりアートがない日常はストレスフルなものだ,と再認識しています。世界を覆うこの災禍が早く収束して,健やかで幸せな日常がすべての人の元に戻ってきますように。
  いくつか開館している美術館を調べて,目白台の永青文庫に初めてでかけてみました。アクセスは美術館の案内にはない,都バスの早稲田バス停から。なるほどHPに載せないわけで,急坂の階段を息を切らしながら登りました。外塀の「永青文庫」のサインがかっこいい。

 展覧会は「古代中国・オリエントの美術」展が開催中。細川護立が蒐集した逸品は,これまでほとんど公開される機会がなかったものばかりということ。15日までの限定公開だった「金銀錯狩猟文鏡」は「細川ミラー」と呼ばれて広く知られているものだそう。国宝です。

 3階の薄暗い展示室に,他の中国美術と並んでひっそりとケースに展示されていました。中国戦国時代,BC4~3世紀の輝きがそのままそこに。金の色彩とまばゆさに,こんな鏡見たことない,という感激に震えます。何度も何度もケースの前を行ったり来たり。
 
 2階のオリエント美術ではイラン出土のイスラム陶器が楽しい。池澤夏樹「パレオマニア」を読み返したばかり。大英博物館の第34室(イスラム美術展示室)を思い出しながら,ああ,やっぱりmuseumはいいなあ,楽しいなあ。と夢のような時間を過ごして,帰りは急坂を下ってバス停へ。 

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